柔軟剤の成分｜柔軟剤でふわふわになる理由と香りが残る仕組み

家庭で洗濯するような衣料品やタオル類は、新品の時には様々な物理的または薬品の仕上げ加工が行なわれていて、その製品に合ったふわふわ感、柔らかさ、滑らかさ、反対にパリッとした肌触りなどを持っています。

しかし、何度も使用したり着用し洗濯を繰り返すうちにその加工がどうしても取れてきてしまいます。繊維自体も疲れてきて、いわゆる洗いざらし、着古し状態になります

そんな状態になった衣類の風合いは柔軟剤を使うことによって、ある程度回復することができます。

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柔軟剤使用でふわふわになる理由

柔軟剤を使うと洗濯物がふわふわになる理由は柔軟剤の持つ成分にあります。販売されている柔軟剤の大部分は陽イオン界面活性剤という成分からできています。この陽イオン界面活性剤は生分解性（物質が微生物によって分解され、水や二酸化炭素などの無機物になること）や親油性に高いことに特徴があります。

水の中で、洗濯物の繊維の表面にはマイナス電気が流れています。それに対して陽イオン界面活性剤の分子構造は陽イオンで、片側は親水其と反対方向は親油基からできています。

そのため陽イオン界面活性剤は洗濯物の繊維のマイナス電気に引きつけられてプラスの親水其が繊維の表面に吸いつきます。繊維についた水になじみやすい親水其は、繊維の静電気を外に逃がす帯電防止効果もあります。

一方、親油性の部分が繊維の外の方を向いて並び、潤滑油のような働きをします。すなわち繊維と繊維が絡まる摩擦を防ぎ、ふわふわで肌触りをよくしてくれるのです。　

親油基の性質で繊維のすべりが良くなり、ふわふわになりますが、柔軟剤を使い過ぎると逆に衣類の吸水性が悪くなります。例えばタオルが水を吸い取らない、Ｔシャツが汗を吸い取らないなどのデメリットとなってしまうことがあるのです。使用量は製品に書かれた使用量を守るようにしましょう。

柔軟剤の陽イオン界面活性剤は洗剤と一緒に使うことは禁止です。洗濯洗剤の陰イオン界面活性剤であるということからです。一緒に使用して、両者が混ざると、プラスとマイナスの異なる成分が結合して水に溶けにくい物質が作られて、どちらの働きも失ってしまうのです。そのため、柔軟剤は洗濯のすすぎ終了間際に入れて使用しましょう。

ただし、柔軟剤入り洗剤は他の機能を利用して作られているので、上記のような変化は起きません。

柔軟剤が静電気防止になる理由

繊維の中に潜んで帯電している電気が放電する時に、瞬時にビビッと人間の皮膚に刺激を送り、私たちに痛みと不快感を与えます。ご存じのようにこの静電気現象は、時期的には冬場の乾燥した時期、洗濯物の繊維の中では化学繊維に強く起こります。繊維には通常、少し水分が含まれていますが、非常に湿度が低い時や、繊維の特質として保有する水分が少ない化繊は帯電しやすい状況にあります。また、静電気を感じる程度は個人差があります。静電気に敏感な人は柔軟剤を使いましょう。

マイナス電気をたくさん含む、ポリエチレン、アクリルなど合成繊維は、ウールや綿、シルクなどに比べてプラスの電気を引き付けやすく、摩擦よる帯電が起こりやすくなっているのです。

柔軟剤を使えば、繊維に水分を含んだ界面活性剤のアースのような働きをする親水其によって帯電防止になります。静電気が発生しても、水を通じて空気中に放電されます。この働きによって、静電気が起こす汚れやホコリによる黒ずみや、衣服のまとわり、毛玉を防止します。

柔軟剤の香りが長続きするための開発

最近、衣類によい香りを長く残すことが柔軟剤に求められています。そのため、たくさんのメーカーの香りの研究が競争のように行われています。

せっかくいい香りの柔軟剤でも、それを長く衣類に持続させるためにはコツがあります。

香料の成分が衣類の繊維につくことで洗濯物が乾いてもいい香りが残ります。しかしどうしても洗濯を干して液体の香料が乾いてしまうと、気体になって香りが逃げてしまいます。

それを改善するために開発されたのが、例えば、レノアハピネスの香料成分です。洋服が触れ合ったり動くとそのたびに新しく香料入りのカプセルがはじけて香り、何度も新たに香りを楽しめます。

その他、柔軟剤にはナノテクノロジーを駆使して、香り成分を繊維の奥まで入り込ませて、しっかり吸着する工夫をし、香りを衣類の着用中まで長続きさせている製品もあります。

柔軟剤フレアには動きや汗、水分に反応して香る「香りセンサー」機能があり、着用している時に香りを感じることができます。

この様に、香りの研究が急激に進んで、長く香り続けたり、洗濯物が乾いた後も変わらず香る香料成分の柔軟剤も次々発売されています。

香りの好き嫌い、強さ、洗濯洗剤との相性、着用する人の環境などに合わせて、数ある柔軟剤の中から自分らしい柔軟剤を選んだり、時には製品を変えるなどして、香りを楽しみたいものです。柔軟剤といえども、香水や芳香剤として利用することも可能です。周りの人も快く感じられ、好感度がアップするような柔軟剤の使用を心がけましょう。

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