包丁の歴史|包丁のお手入れ方法
包丁は私たちの生活の中に当然のように存在して、包丁のない暮らしなどは想像もつきません。しかし道具としての包丁はいつから使われてきたのでしょうか。また、「包丁」という言葉も、なんとなくチャイニーズを連想させる不思議な言葉です。私たちになくてはならない包丁のルーツとその後の歴史をたどってみましょう。
おそらく、初めての包丁として考えられるのは、石器時代の「石包丁」です。まだ金属を使うことがなかったこの時代の人が尖った石を探したり、硬い石を割って鋭利な面を利用して、料理や生活のために使っていました。
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「包丁」の語源に付いて
包丁の語源は古代中国 魏の伝説的な天才料理人 庖丁の名前からきているといわれています。
その一方、道教の「荘子 養生主篇」の中に「庖丁問答」と呼ばれる名文があります。その中に『庖丁は文恵君の命で牛の解体を実演し、その刀さばきは無駄がなく見事で文恵君もほめたたえました。』という箇所があります。この中に庖丁以外に良庖、族庖という用語が出てくるので、庖丁は職名であるともいわれています。
古代中国では台所、炊事場という意味の厨という意味の庖、特定の職種に付く男の意味の丁で、庖丁は食肉業者、料理人を表わす一般名詞ともいえるのです。
また、昔は「庖丁」と書いていたのが、戦後、「包丁」になったのは文部科学省の当用漢字に「庖」がなくなったという単純な理由からです。
日本の包丁の歴史
日本で一番古い包丁として、現在にも残っているのは奈良の正倉院にあります。この包丁は柄が長く日本刀に似た形です。この形が江戸時代中期まで続きました。
現在のような和包丁の出刃、柳刀の形は、江戸時代後期になって平和な世の中が続き、食文化が発達し、調理技法も進化した後、でき上がっていったのです。
明治時代になると、開国によって西洋の調理方法が広まり、牛をさばく洋式ナイフを牛刀と呼ぶようになったのです。
昭和に入ると牛刀と菜切り包丁を合わせ、先端をななめに落とした形の文化包丁が生まれ、さらに先端部を丸めた三徳包丁が主に出回るようになりました。
最近では、お寿司や日本食が世界中で有名になり、それに足並みを合わせるように日本の包丁の伝統技術が世界でも注目されています。
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